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[いくさの記憶] 被爆体験 子どもに語る 東広島市八本松の住民2人 2世が企画

 東広島市八本松町の正力集会所で29日、広島で被爆した住民2人が、子どもたちに体験を語った。70年間、つらい記憶をほとんど口にしてこなかった2人。被爆2世の地域の女性が講演を依頼した。

 石井明さん(82)は当時、山陽中(現山陽高)1年。広島駅で被爆した。現在の平和大通り(広島市中区)付近での建物疎開作業に向かったが、体調が悪く、八本松の自宅に引き返す列車に乗った直後だった。割れたガラスでけがをするようなこともなかった。「偶然が重なった」と振り返った。

 広島二中(現観音高)1年だった蔵田康幸さん(83)も広島駅で市内電車を待っていて被爆した体験を話した。午前、午後1人ずつが話した「平和のつどい」には小学生やその親たち延べ約70人が参加した。

 企画したのは正力コミュニティ親の会の岩井恵子代表(45)。数年前に亡くなった被爆者の父から、きちんと原爆の話を聞いてこなかった後悔があった。「子どもたちに過去の経験を伝えたい。平和な世の中が続いてほしい」と話していた。(新本恭子)

(2015年7月30日朝刊掲載)

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