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犠牲者弔う原爆小謡 喜多流大島会、不動院で2日催し 広島市東区

 福山市を拠点に能の普及に努めている喜多流大島会は8月2日、被爆70年に合わせ、原爆犠牲者を弔う謡いの催しを、広島市東区牛田新町3丁目の不動院金堂で開く。同会が創作した小謡(こうたい)「悲鐘」を参加者全員で謡い、平和への祈りを込める。

 午後2時半に始まり、冒頭で能楽師大島衣恵さん(40)が作品に込めた意味や謡い方を解説する。続いて参加者全員で謡う。亡き人をしのぶ際の小謡として知られる「源氏供養」も全員で奉納する。

 「牛田の里の梵鐘(ぼんしょう) 黒き雨降りしきる日にも鳴りしかも」と始まる悲鐘は、不動院に約400年間伝わる鐘をモチーフに、原爆に焼かれた街の情景に思いをはせた内容。衣恵さんの母で喜多流大島能楽堂事務局長の泰子さん(70)が2007年、中学・高校時代の恩師が詠んだ短歌を基に書き下ろした。節は衣恵さんが付けた。

 「同じ空間でみんなで一緒に謡い、犠牲者を弔う思いを共有したい」と参加を呼び掛ける。参加費2千円。喜多流大島会Tel084(923)2633。(加納亜弥)

(2015年7月31日朝刊掲載)

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