×

ニュース

舟入高卒業生ら「被爆電車」熱演 「復興」テーマ 中区

 被爆後の広島で路面電車を再開させた人々を描いた演劇「路面軌道の灯」の上演が13日、広島市中区の県民文化センターであった。「復興」をテーマに、中区の舟入高演劇部の卒業生たちでつくる「劇団F」の19人が演じた。

 被爆直前から、電鉄会社の社員たちが、市民の希望となった「一番電車」を走らせた3日後までを中心に描いた。資材不足の中、社員がいち早く復旧作業を始めた様子や、一番電車に市民を無料で乗せた一こまなどを盛り込んだ。東日本大震災からの復興を願うメッセージも反映させた。

 演劇部元顧問の伊藤隆弘さん(72)が、当時を知る広島電鉄の社員から話を聞いて脚本を書いた。一番電車の車掌の女学生を演じた戸高枝里子さん(28)は「観客にも、女学生の前向きな姿勢に共感してもらえるように演じた」と振り返った。

 安佐南区の中西公雄さん(81)は「当時の悲惨な状況も思い出したが、復旧への努力がよく伝わってきた」と拍手を送った。(新山創)

(2011年8月14日朝刊掲載)

年別アーカイブ