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イズミも歩んだ広島復興 創業50年記念 西区で写真展

 地場スーパー大手のイズミ(広島市南区)の歩みを通し、被爆地の復興をたどる写真展「復興の記憶 広島 戦後の商業史」が19日、広島市西区商工センターの泉美術館で始まった。創業50年を記念し同社が企画した。

 同社の出発点は、現会長の山西義政氏(88)が終戦翌年の1946年、広島駅前で始めた露店にさかのぼる。47年に繊維問屋「山西商店」を立ち上げ、61年に株式会社いづみ(80年に現イズミに社名変更)を設立した。

 写真展では、同社や中国新聞社、原爆資料館などが所蔵する原爆投下直後から70年にかけて撮影された120点が並ぶ。3月の東日本大震災を受け、被爆による廃虚から街が復興する様子を社業発展の歴史と重ねる展示構成にしている。

 終戦直後の駅前の闇市に押し寄せる人々の表情は困難を生き抜く意思がにじむ。中区の写真家明田弘司さん(88)が54年に撮った写真は、前身の山西商店の前を多くの人が行き交い、復興期の街の活気が伝わる。

 佐伯区の主婦船木圭子さん(68)は「みんなが懸命に生きた戦後の街のにぎわいを思い出し、目頭が熱くなった」と話していた。

 写真展は9月19日まで。入場無料。月曜休館。(金崎由美)

(2011年8月20日朝刊掲載)

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