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折り鶴昇華 巨大アート 7万5000羽 市民共作 平和公園

 広島市中区の平和記念公園の原爆の子の像にささげられた折り鶴約7万5千羽を再利用した巨大モザイク画が27日、同公園の芝生広場で展示された。「ひろしま市民芸術祭2011」の一環で制作。世界中から折り鶴に託された平和の願いを、市民共作の芸術で大きく再発信した。

 モザイク画は2種類で、いずれも縦8メートル、横9メートル。原爆ドームと原爆の子の像をそれぞれのテーマにした。この日も、公園を訪れた家族連れたちが、折り鶴を台紙に張り付けた。今月上旬に市民たちが作っておいた台紙と合わせて計154枚を芝生の上でつなぎ合わせると、巨大なモザイク画が現れた。

 黄や青の19色の鮮やかな作品は、観光客が次々とのぞき込んだ。安芸区のパート従業員圓光寺睦子さん(53)は「いろんな国からの平和の願いが詰まった作品ですね。自然の光の中で見るととてもすてき」と感激していた。

 モザイク画の制作は、芸術祭を主催した広島青年会議所が、原爆の子の像などに年間約1千万羽寄せられる折り鶴の活用策として提案。展示は1日だけで、今後は発展途上国に送る鉛筆やノートに再生する。 (衣川圭)

(2011年8月28日朝刊掲載)

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