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福島の人たち「困難でも前向き」 「未来応援団」佐々木さん(周防大島高2年)が回顧 山口

 山口県周防大島町の周防大島高2年佐々木梨織菜さん(16)が「ふくしま未来応援団」に選ばれ、東日本大震災と福島第1原発事故からの復興への取り組みを学んだ。佐々木さんは「風化の問題や風評被害に向き合う福島の今を見詰めることができた」と成果を語った。

 46都道府県の中高生46人の団員の一人となった佐々木さんは4日から3日間、引率の藤本純乃介教諭(25)と福島県を訪問。初日は郡山市で、農家から風評被害の実態や専門学校生から津波の恐怖などの話を聞いた。

 2日目は同市内の仮設住宅を見学し、長期間の避難生活の苦労などに耳を傾けた。佐々木さんは「原発事故から4年5カ月たつけれど、困難な状況に変わりがない。でも前を向いて挑む姿に感動した」と振り返った。

 いわき市では、津波で大きな被害を受けた地域を見て回った。佐々木さんは「命があることは当たり前でないことがよく分かった。福島の現状を多くの人に伝えたい」と意気込んでいた。

 主催した福島民報社は2012年度から、福島県内の中高生たちを全国に派遣し、支援への感謝などを伝えてきた。本年度は初めて、復興の歩みを見聞きしてもらおうと全国から中高生を受け入れた。(久行大輝)

(2015年8月27日朝刊掲載)

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