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新規原発 個別に判断 枝野氏 前経産相発言を修正

 枝野幸男経済産業相は15日、報道各社とのインタビューに応じた。中国電力が計画する上関原子力発電所(山口県上関町)など新規の原発建設の是非は、個別に検討して判断する考えを示した。上関原発の本体工事の着手は難しいとの認識を示していた鉢呂吉雄前経産相の発言を修正した形だ。

 枝野氏は上関原発の認識を問われ「全ての原発の現状、周辺住民、自治体の意見、認識まで精査できているわけではない」と強調。「原発ごとにさまざまな状況を総合的に判断し、地元の皆さんとも意見交換する上で結論を出したい」と述べた。中電がほぼ建設を終えている島根原発3号機(松江市)も同様の方針で対応するとした。

 判断基準に関しては「進行状況は大きな要素」としながらも、「この段階までいっていたら進めるが、この段階までいっていなかったら進めないなど、線引きができるものではない」と答えた。

 全国に14基ある新規建設をめぐっては、野田佳彦首相が2日の就任記者会見で「現実的に困難」と発言。経産相に就いた鉢呂氏は、上関原発の建設は困難との認識を表明した。一方で島根原発3号機については、藤村修官房長官が新規建設には当たらないとの考えを示していた。(荒木紀貴)

(2011年9月16日朝刊掲載)

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