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「憲法違反」「民意の無視」 ヒロシマ 一斉に抗議 安保法成立

 集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法の成立を受け、被爆地広島では19日、被爆者団体など各種団体が「憲法違反」「民意の無視」と一斉に抗議の声を上げた。首長は政府に対し、国際平和の構築に向けた一層の取り組みを求めた。

 「安倍政権の暴走で日本は危機への一歩を踏み出した」。広島県被団協の坪井直理事長は、広島市中区の事務所で危機感に声を震わせ「憲法9条は国民の暮らしの最重要事項。9条に関わる問題を一内閣が決定してはならない」と痛烈に批判した。もう一つの県被団協の佐久間邦彦理事長は「戦後築き上げた9条がいっぺんに壊された」と憤り、法廃止に全力を傾注すると強調した。

 広島県原水協は「参院での強行採決は民意を無視し、民主主義を根底から踏みにじる行為」との抗議文を発表。同日中に首相官邸や自民党本部に送った。

 広島県の湯崎英彦知事は「県民は、わが国が将来にわたって憲法の平和主義を尊重することを望んでいる」とし、国際平和の構築に向けた取り組みの推進を要請。広島市の松井一実市長は「これまで以上にヒロシマの思いを受け止め、対話による信頼醸成に一層努めてほしい」と求めた。

 広島弁護士会(木村豊会長)は、法成立に抗議する会長声明を発表した。  一方、島根県の溝口善兵衛知事は「国民の意見などを踏まえて適切な運用に努めてほしい」と注文。浄土真宗の僧侶や門徒でつくる念仏者九条の会も、安倍晋三首相に抗議文を送付した。

(2015年9月20日朝刊掲載)

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