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「自信あったが残念」 広島の申請団体 再挑戦へ意欲 17年の記憶遺産

 ユネスコの記憶遺産の国内候補に「原爆文学資料」が選ばれなかったのを受け、広島文学資料保全の会は24日、同市中区で記者会見を開き、再申請への意欲を示した。 

 土屋時子代表は「国内外から多くの支援を頂き、自信を持って申請しただけにとても残念」と述べた。

 昨年6月、原爆文学資料の散逸への危機感などを背景に、記憶遺産への申請準備を公表。申請直前の今年6月に広島市が共同申請に加わった。同会は長年、文学館建設を市に働き掛けており、成定薫幹事は「貴重な資料だと広島市が認識したことが一番大きい」と今後の活用に期待した。

 同席した、作家原民喜のおい原時彦さん(81)は「(申請した)民喜の被災時の手帳は原爆文学の原点。核兵器の惨禍を伝えるため、この運動はまだまだ続けなければならない」と強調した。(石井雄一)

(2015年9月25日朝刊掲載)

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