×

ニュース

被爆を伝える会 解散 東京 後継組織を設立

 1970~80年代に東京を中心に活動し、現在は休眠状態の「原爆体験を伝える会」が25日、都内で会合を開き、解散を決めた。メンバーの一人が後継組織を設立し、活動の歴史を後世に伝える。

 メンバー5人が集まり、過去に発行した被爆体験記を朗読。同会が著作権を買い取り、日本語字幕を付けた米国の反原発運動の記録映画「モンタギュー村の核戦争」を上映するなどし、当時を懐かしんだ。元代表の袖井林二郎・法政大名誉教授(83)は「当時は原爆と原発を関連付けたら批判されたが、今や古くて新しい問題だ」と強調した。

 後継組織の「市民グループ反核」の代表には、メンバーの八巻和彦・早稲田大教授(68)が就任する。

 伝える会は72年、首都圏在住の学者やジャーナリストたち十数人で結成。活動の中核を担った原爆文学研究家の長岡弘芳氏が89年に死去したことなどに伴い、活動が停止していた。(藤村潤平)

(2015年9月26日朝刊掲載)

年別アーカイブ