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中電が報告内容説明 虚偽記録問題 松江市議会特別委 「社内評価を優先」

 中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)の低レベル放射性廃棄物の処理をめぐる虚偽記録問題で、松江市議会は30日、島根原発対策特別委員会を開き、原因や再発防止策をまとめた報告書の説明を中電から受けた。

 中電は9月8日に同委員会に報告書案を説明していたが、その後、国と地元自治体に報告書を提出したのを受けて再度説明した。

 中電から出席した古林行雄島根原子力本部長たち3人に対し、市議は「問題を起こした社員に過密労働などはなかったか」と質問。中電側は「勤務や健康面に問題はなかった。本人が安全よりも自身の社内評価を優先して不正を重ねてしまった」と回答した。市議からは「社内評価を気にせずに、上司に報告できる環境づくりが必要」との意見が出た。委員会は、実効性のある広域避難計画が実現しない限り島根原発を稼働してはならないとする意見書を、市議会が溝口善兵衛知事に提出するよう求めた陳情も審査。反対多数で不採択とした。(松島岳人)

(2015年10月1日朝刊掲載)

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