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原爆病院に新館 免震構造 日赤、老朽2棟解体 13年夏着工

 日本赤十字社(東京)は、広島赤十字・原爆病院(広島市中区)の一部建て替えと改修事業に着手する。老朽化が進む2棟を解体し、免震構造の8階建て新館を建てる計画。年内に設計業者を選定し、2013年7月の着工を目指す。

 新館は鉄骨鉄筋8階建て、延べ床面積約2万5千平方メートル。現在、本館西側にあり、病室や整形外科外来がある4階建て3号館と、人工透析室や磁器共鳴画像装置(MRI)の部屋などを備えた6階建て5号館を解体した跡地に建設する。

 新館の機能は検討中だが、病床数は現在の646床を確保する。病院全体の延べ床面積はこれまでの約1.2倍の約5万平方メートルになる。本館と南側の6号館ではそれぞれ延べ約4千平方メートルの規模で内装の改修をする。

 日本赤十字社によると、3、5号館はともに築30~40年で、耐震面の懸念があった。東日本大震災を受け、免震構造の新館建設を決めたという。

 設計業者の選定は、実績や技術者の能力などで総合的に評価する「公募型プロポーザル方式」を採用。12年1月から設計に入り、13年7月着工、16年9月の完成を目標とする。(山本堅太郎)

広島赤十字・原爆病院
 1939年に日本赤十字社広島支部病院として設立。広島の被爆者医療の拠点として、56年に敷地内に広島原爆病院を併設。88年に統合し、現在に至る。病床数は646床。病棟建て替えは現在の本館が完成した92年以来となる。

(2011年10月21日朝刊掲載)

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