×

ニュース

金輪島で原爆犠牲者追悼 救護所跡地など見学 広島市南区

 広島市への原爆投下直後に被爆者が運ばれた広島市南区の金輪島で4日、犠牲者追悼の集いがあった。被爆者や市民約30人が慰霊碑を訪れ、救護所となった工場跡地なども見学した。

 参加者は同区の宇品公民館で被爆者から当時の体験談を聞いた後、島へ。慰霊碑の前で手を合わせ、犠牲者を悼んだ。学徒動員中に被爆し、島に搬送された寺前妙子さん(85)=安佐南区=は「島で亡くなった女学生が口々に『お母さん』と呼ぶ声が今も耳に残る。被爆の悲惨さを伝えていく」と誓った。

 約500人のけが人を受け入れたという工場の跡地や、島のあちこちに残る防空壕(ごう)も見て回った。

 約30年前から広島で被爆に関する調査に取り組む元高校教師竹内良男さん(66)=東京都=が、島の歴史を広く知ってもらおうと開いた。(原未緒)

(2015年10月5日朝刊掲載)

年別アーカイブ