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核兵器開発を風刺 日系3世が作品展 きょうから広島市中区

 東広島市ゆかりの日系3世の米国人現代芸術家パトリック・ナガタニさん(70)が核をテーマに手掛けた作品が6~16日、広島市中区袋町の旧日本銀行広島支店で展示される。被爆70年に被爆地で世界の核問題を考えてもらおうと、市民の実行委員会が企画。無料。

 ナガタニさんは、祖父母が西条町大沢地区の出身。米国が「マンハッタン計画」で人類初の核実験をした「トリニティ・サイト」があるニューメキシコ州に住む。2006年まで20年間、大学で美術や写真を教える傍ら、核兵器開発を皮肉った作品を発表してきた。

 会場には1988~93年の「核の魅力」シリーズ全40点が並ぶ。背景と物体を合成した写真作品。トリニティ・サイトで記念写真を撮る構図では観光地化に疑問を投げ掛ける。この制作風景を再現したセットもある。

 ナガタニさんの弟で音楽家のスコットさんと交流のある元映像制作会社ディレクター出山ひさ子さん(43)=安佐南区=たちが準備してきた。ナガタニさんを含む25人の「世界核写真家ギルド」の作品約60点も紹介する。

 6日は午前10時から午後7時半まで、7日以降は午後5時まで。10、11両日午前11時、午後1時半、3時にスコットさんが弾く被爆ピアノと歌のコンサートがある。(水川恭輔)

(2015年10月6日朝刊掲載)

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