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毒ガス死没者の冥福祈る 竹原の大久野島で慰霊式

 旧日本軍の毒ガス工場があった竹原市忠海町の大久野島で27日、毒ガス障害死没者慰霊式があった。製造に携わった人や遺族約180人が参列した。

 近隣市町や元工員の団体などでつくる大久野島毒ガス障害者対策連絡協議会の主催で26回目。この1年間で85人が亡くなり、3431人となった死没者名簿を慰霊碑に納めた。

 参列者は次々に花を手向け、協議会長の小坂政司竹原市長が「核兵器と生物化学兵器の廃絶を全世界に訴え、恒久平和への前進を誓う」と平和宣言をした。

 元工員の父を亡くした岩本ミツ子さん(65)=広島県海田町=は「庶民が苦しむ戦争は、繰り返してほしくない」と力を込めた。

 健康管理手帳の所持者は2753人(3月末現在)。平均年齢は84歳に達している。(白石誠)

(2011年10月28日朝刊掲載)

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