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福島支援ライブ4年半 出演希望者1人500円寄付 「ポレポレ方式」 福山のカフェ 広島にも活動広がる

 福山市元町のカフェ「ポレポレ」が、東日本大震災の発生直後から4年半にわたり、被災地の復興支援ライブを続けている。出演希望者は1人500円を寄付して、ステージに立つ。「ポレポレ方式」と関係者に呼ばれ、広島市内にも広がっている。(小林可奈)

 ギターやパーカッションの演奏に合わせて歌声が響く。9月下旬の土曜夜、福山市や尾道市、広島市の会社員や自営業など8組が約3時間にわたり、交代でオリジナル曲などを披露した。出演者の一人は「楽しみながら、東北のために何かしたいと思って来た」と話した。

 同店がライブを始めたのは2011年3月の震災直後。店主の手島裕さん(61)は「何もできず無力感を抱いている人が、自分たちも元気になれる支援の方法はないかと企画した」という。毎回、プロやアマチュア約10組が音楽や詩の朗読、踊りなどを披露し、募金に応じる。その額は年10万円余り。全額を福島県相馬市や南相馬市の復興を支援するグループに送ってきた。

 広島市安佐南区の加登淳士さん(43)、東区の横山将良さん(37)のバンド「カゼアシ」は12年4月からほぼ毎月出演。地元広島市でも同様のライブを昨年2月に始め、来月に4回目を予定する。父が被爆者という加登さんは「福島の人のつらさを知っている、忘れない、というメッセージが被爆地広島からも伝われば」と願う。

 同店は10月のライブを17日に開く。出演者も募っている。手島さんは「被災地の復興は時間がかかる。ライブで関心が広がれば」と話す。同店Tel084(925)5004。

(2015年10月12日朝刊掲載)

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