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両親の被爆体験イタリア語に 米在住の美甘さん著

 広島市東区出身で、米国サンディエゴに住む臨床心理医の美甘(みかも)章子さん(54)が英語で書いた両親の被爆体験記「Rising from the Ashes(不死鳥のごとく~ヒロシマで生きぬいて許すこころ)」がイタリア語に訳され、出版された=写真。

 19歳の時、爆心地から約1・2キロの上柳町(現中区上幟町)で被爆し大やけどした父や、18歳の時に爆心地から約700メートルの福屋(現中区胡町)のビル内で被爆し、2008年に80歳で死去した母の体験などを記している。本を読んだドイツ人の友人を通じて、ドイツの出版会社と国際出版契約を締結。その会社がイタリアの出版社と交渉し、被爆70年に合わせて出版にこぎ着けた。

 美甘さんは「日米以外での出版は感慨深い。今後もなるべく多くの言語で出版され、一人でも多くの人にヒロシマからのメッセージを受け取ってもらいたい」としている。256ページ。9・90ユーロ(約1350円)。来年、ポーランド語版が出されるほか、スペイン語、フランス語、ドイツ語での出版も検討されているという。(二井理江)

(2015年10月12日朝刊掲載)

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