×

ニュース

「発生源は止められず」原告落胆 岩国爆音訴訟・飛行差し止めならず

 「米軍機の飛行差し止めこそ根本的な解決になる。静かな空と穏やかな暮らしを実現したい」との願いは届かなかった。山口地裁岩国支部前に集まった原告は判決を「騒音をなくすための第一歩」としつつ、あらためて浮き彫りになった米軍の厚い壁に落胆や不満をあらわにした。

 「爆音違法 賠償認める」「差し止め 認めず」。午前11時10分、岩国支部前で原告弁護団の弁護士が掲げた紙に、祈るような心境で待ち構えていた原告たちは一様に複雑な表情を見せた。法廷から出てきた原告団長の津田利明さん(69)=岩国市桂町=は「騒音の発生源を止められなかった」と声を絞り出した。

 吉川五男弁護団長(71)は「岩国での騒音をなくす第一歩と言えるが、決して満足できるものではない」と話した。長年、騒音被害に苦しむ原告たちが求めたのは、米軍機の夜間・早朝の飛行と空母艦載機移転の差し止め。「納得できない。いつまで我慢すればいいのか」「艦載機の移転でさらに爆音がまき散らされる」などとの声が相次いだ。(久行大輝)

(2015年10月16日朝刊掲載)

年別アーカイブ