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被爆70年 体験継承誓う 被団協など演劇やトーク 東京

 日本被団協などでつくる実行委員会が主催する「被爆70年のつどい」が17日、東京都千代田区の日比谷公会堂であった。約700人が参加。演劇やリレートークを交えながら被爆の実態や戦後の被爆者運動を伝え、次世代への継承の在り方を考えた。

 文学座などの俳優が出演した演劇は、被爆者役と若者役が対話する形で進んだ。9月に成立した安全保障関連法への反対デモで繰り返されたフレーズ「民主主義って何だ?」を使い、被爆者運動を戦後民主主義の象徴と位置付けて運動の歴史を振り返った。

 劇中で被団協の4人が登場して証言。岩佐幹三代表委員(86)は、自宅の下敷きになった母親に炎が迫り、その場を離れた被爆体験を語った。「この体験を無駄にしたくない」と継承を呼び掛けた。藤森俊希事務局次長(71)は、1956年の被団協の結成宣言を引用して「自らの体験を通して世界を救いたい。核兵器廃絶に全力を尽くす」と強調した。

 リレートークは、空襲被害の関係者や研究者、若者が思いをぶつけ合った。平和記念公園(広島市中区)でガイドをする村上正晃さん(22)=同市西区=は「原爆や戦争の恐ろしさを知らなければ平和が何かも分からない。今を戦前にしたくない」と訴えた。(藤村潤平)

(2015年10月18日朝刊掲載)

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