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平和コンサート 県議会が疑問視 広島で来夏開催予定 必要性や収益

 広島県は19日、来年夏の開催を予定する「ひろしま平和発信コンサート」の概要と収支見通しを発表した。海外の有名アーティストを招いて2013年度に開いた「ピース・アーチ・ひろしま」の後継事業。この日の県議会生活福祉保健委員会では、県議から開催の必要性や収益確保を疑問視する声が相次いだ。

 計画では、6~8月に広島市内で開く。アウシュビッツ強制収容所があったポーランドの音楽家を招いたクラシックの演奏会や、広島ゆかりのポップアーティストによるコンサート、地元の音楽家たちの音楽会を開く。収益は1千万円を見込み、平和活動などに取り組む団体に寄付する。

 開催費用1億3700万円のうち、県負担は4200万円。この日の生活福祉保健委員会では、「コンサートを開かず直接寄付をすればいいのでは」「1千万円の収益を出せるのか」などの意見が出た。県文化芸術課は「平和のメッセージ発信が狙い。収益による寄付だけが目的ではない」と説明している。

 13年度のピース・アーチ・ひろしまは企業の協賛金など9億6300万円の収入があったが、経費が膨らみ、収益は予定の2割以下の3千万円にとどまった。県は地元経済界などとの意見交換を通じ、16年度以降のコンサート事業の在り方を検討していた。(明知隼二)

(2015年10月20日朝刊掲載)

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