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森滝市郎氏 反核の思い 中区で次女が講演

 反核運動や被爆者援護に力を注いだ故森滝市郎・広島大名誉教授の足跡をたどる講演会が27日、広島市中区の原爆資料館であった。森滝氏の次女で市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」の森滝春子共同代表(72)が生前の父を語った。

 市郎氏が原水爆禁止世界大会の開催や原爆で親を失った子どもの支援に尽力した背景を「かつて軍国主義に漬かったことへの葛藤があった」と説明。川底に埋もれていた子どもの頭蓋骨を見て号泣したエピソードも紹介した。

 講演テーマ「核と人類は共存できない」は市郎氏の言葉。福島第1原発事故を受け森滝さんは「原爆や原発への恐れがなく、安心して暮らせる非核社会を追究する英知が人間にはある」と強調した。

 市などが主催する連続講座「ヒロシマの平和思想を伝える」の最終回。約200人が聴講した。

(2011年11月28日朝刊掲載)

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