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「苦楽ともに」 仲間を実感 市女元生徒が同期会 広島市中区

 広島に原爆が落とされた時、広島市立第一高等女学校(現舟入高)4年だった生徒の同期会が、中区で開かれた。現在は85、86歳。広島、東広島両市から16人が集まり、女学生時代を懐かしむとともに、近況報告などの話に花を咲かせた。

 当時の4年生は、西蟹屋町(現南区)にあった日本製鋼所の工場に動員されていたが、1945年8月6日は電力不足のため休み。自宅にいたり外出していたりしたという。約300人のうち59人が原爆で亡くなった。

 同期会は黙とうに続き校歌斉唱で始まった。「終戦の後、学校へ行くのに、木の橋がみんな原爆で落ちとるけえ、相生橋を回って行きよったら、学校に着いたら昼じゃった」「川に舟が浮かんどって、縄を引っ張って対岸に渡りよったよ」などと談笑。欠席した人の近況や「その服おしゃれね。どこで買うたん」といった話題も出ていた。

 級長だった掛井千幸会長(86)=東広島市=は「苦楽をともにした仲間だからこそ打ち解けて話せる。この強い絆を大切にしたい」と話していた。来年は数えで88歳になる人が多いため、4月に米寿の祝いをする予定にしている。(二井理江)

(2015年11月23日朝刊掲載)

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