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ドーム石材 引き上げ 元安川から広島大のグループ バルコニーの一部か

 被爆時に吹き飛ばされた原爆ドーム(広島市中区)の石材を収集している広島大のグループが24日、ドーム前を流れる元安川から、バルコニーの一部とみられる石材を引き上げた。被爆実態の研究に役立てる。

 石材は重さ約300キロの花こう岩で、横約165センチ、縦約35センチ、高さ約45センチの立方体。同大研究員の嘉陽礼文(かよう・れぶん)さん(37)たちが見守る中、クレーンで引き上げられた。

 嘉陽さんが2013年6月、川底で石材を発見。被爆前の写真を基に調べたところ、川側の5階バルコニーの手すりと形がほぼ同じで、他の石材との接続金具が熱で溶けたまま残るなどしていた。

 コケを洗い流すなどして来春、同大霞キャンパス(南区)で展示する。嘉陽さんは「爆風の方向や衝撃の解明に役立てる。石材は原爆を伝える遺品。他にもまだ川に眠っているはずで発掘を続けたい」と話した。(久保友美恵)

(2015年11月25日朝刊掲載)

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