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イラク外相 広島を訪問 平和公園 被爆の実態に触れる

 イラクのジャファリ外相(68)が26日、広島市中区の平和記念公園を訪れ、原爆被害の実態に触れた。多くの市民の命が過激派組織「イスラム国」のテロなどで奪われている現状を踏まえ、「ヒロシマを教訓に、戦争を避けなければいけない」と訴えた。

 原爆資料館を志賀賢治館長の案内で見学。壊滅した市中心部の模型の前で犠牲者の人数を尋ねたり、黒焦げの弁当箱に見入ったりしていた。芳名録には「核兵器は日常生活を一瞬で壊す。二度とあってはならない」とアラビア語で記帳。記者団に「各国の国民が広島に来て被害を見るのは、人類の平和につながる」と強調した。

 原爆慰霊碑に献花し、近くの中島小で平和学習の様子を視察。市役所では松井一実市長と会い、イラクの各都市に平和首長会議への加盟を働き掛ける考えを示した。

 外務省の招きで22日に来日した。イラク戦争後、2006年5月に正式な政府が発足するまでの移行政府では首相を務めた。(水川恭輔)

(2015年11月27日朝刊掲載)

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