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原爆ドーム 健全度調査 14日から広島市

 広島市は14日から、世界遺産の原爆ドーム(中区)の劣化状況などを把握する健全度調査を始める。1989年度に大規模な保存工事をして以来、3、4年ごとに実施し、今回で7回目。年明けにはほぼ全面が足場で覆われ、2012年3月半ばまで続く。

 内容は壁面のひび割れや鋼材の腐食があるかを見る外観調査、建物の沈下や傾きの有無を調べる測量など。1989年度の保存工事で壁面に塗った防水材が効いているかも確認する。

 東側から調査に着手し、年明けから元安川に面した正面部分に取りかかる。高さ約25メートルの頂上まで足場を組み、網状の落下防止用シートで覆う。調査結果は市の有識者委員会に報告し、補修の必要性を判断する。

 市はまた、11年度中にドームの耐震調査を実施。建設コンサルタント業者に委託して揺れに弱い箇所を割り出す。08年度から続ける耐震調査などで得たデータを基に、コンピューターでシミュレーション。今後の補強工事の基礎資料にする。

 健全度調査と耐震調査の事業費3千万円は市の原爆ドーム保存事業基金で賄う。市公園整備課の三好史久課長は「ドームの『人間ドック』に当たる調査。入念に点検したい」と話している。(金崎由美)

(2011年12月9日朝刊掲載)

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