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黒い雨 調査結果報告 専門家、資料館展示で助言 広島市中区

 原爆資料館(広島市中区)の展示内容を専門家の立場から助言する「資料調査研究会」の発表会が28日、同館であった。メンバーの大学教授たち3人が、原爆投下後に降った放射性降下物を含む「黒い雨」や、核軍縮をめぐる国際情勢などを報告し、約80人が聴いた。

 広島大大学院の静間清特任教授(放射線物理学)は、かつて爆心地の西約3・7キロにあり、黒い雨の跡が残る民家の壁(同館展示)の調査結果を解説。原爆の材料となったウラン235が自然界より高い割合で検出されたとし、「核爆発で生じた放射性物質のほか、燃え残ったウラン235が飛び散って雨に含まれていた。展示説明に生かしてほしい」と述べた。

 広島諸事・地域再生研究所の石丸紀興代表は、連合国軍総司令部(GHQ)による占領統治下の都市政策の研究成果を報告。市立大広島平和研究所の水本和実副所長は今春の核拡散防止条約(NPT)再検討会議について解説した。

 研究会は1998年に設立し現在16人。毎年発表会を開き、同館が展示内容に反映している。(水川恭輔)

(2015年11月29日朝刊掲載)

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