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「核廃絶へ役割大」 広島で平和市長会議開幕

 核兵器廃絶を目指す平和市長会議(会長・松井一実広島市長)の国内加盟自治体による初の会議が13日、広島市中区の広島国際会議場で開幕した。14日まで、取り組みの強化策などを話し合う。

 初日は全国75市区町から34人の市町長を含む111人が参加した。松井市長はあいさつで、米国が新型の核実験を繰り返し「核兵器廃絶の機運に陰りがある」と懸念を表明。国内市区町村の約6割に当たる1096市区町村が会議に加盟しているとして「私たちの役割は大きい」と活発な議論を呼び掛けた。

 加盟自治体を代表し、2011年7月に国連軍縮会議が開かれた長野県松本市の菅谷昭市長が招致の経緯や市民の取り組みを説明。米軍施設を抱える神奈川県逗子市の平井竜一市長は11年8月に初めて「ずし平和デー」を設定し、コンサートや写真展などを開いた活動を報告した。

 参加者は被爆者の梶本淑子さん(80)=西区=の被爆証言に耳を傾け、平和記念公園(中区)の原爆慰霊碑へ花を手向けた。慰霊碑で4日、碑文に塗料が吹き付けられる事件が発生したのを受け、原爆資料館を案内するヒロシマピースボランティア約20人が「碑文は全人類の平和を願い設けられた」と説明した。

 14日は核兵器禁止条約の早期交渉開始に向けた訴えの強化策などを討議。総括文書を採択して閉幕する。(田中美千子)

(2012年1月14日朝刊掲載)

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