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「脱原発」で世界会議 横浜でNGOが初開催 広島の被爆者、体験語る

 「脱原発世界会議」が14日、横浜市で開幕した。福島第1原発事故を受け、非政府組織(NGO)6団体でつくる実行委員会が初めて開催。約30カ国・地域から100人超の専門家、活動家らが参加し、一般も含め約5千人が来場した。被爆者たちが放射線被害をもたらす核の悲惨さとともに原発の廃止を訴えた。

 開会行事で実行委員長の吉岡達也ピースボート共同代表が「世界中でヒバクシャをつくらない大きなうねりをつくろう」とあいさつ。広島で被爆した元軍医の肥田舜太郎さんは内部被曝(ひばく)の危険性に触れ「人間は放射線を操作できない。原発も核兵器もなくし安全な地球に」と訴えた。

 四つのテーマ別会議の一つ「世界のヒバクシャから学ぶ」では、核実験被害者や反核団体の代表たちが報告。オーストラリアのNGOのピーター・ワッツ共同代表は「原発にも核兵器にも使われるウランの採掘を早く止めなければ」と主張した。

 会場ではNGOなどによる約30の関連行事も開かれた。被爆者の体験を聞く会には約50人が参加。広島の被爆者、田中稔子さん(73)=広島市東区=は子どもの健康への影響に不安を抱き続けた経験を語り「人間としての自由が奪われるつらさがある」と話した。

 最終日の15日は、原発輸出と核拡散との関連などを討議し、「脱原発世界宣言」を発表する。(岡田浩平、山本洋子)

(2012年1月15日朝刊掲載)

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