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原爆開発拠点 「公園化 称賛ではない」 米大使、広島市長に返書

 広島市は24日、原爆を開発した「マンハッタン計画」を記念する米政府の国立歴史公園計画に再考を求めた松井一実市長の要請文に対し、ルース駐日米大使から「教育的な記念施設。称賛のためではない」との返信が届いたと発表した。

 市平和推進課は「少なくとも原爆を称賛する意図でないとの回答は得たが、今後も動きを注視していく」としている。

 松井市長は2011年12月2日付で「将来の世代に誤ったメッセージを残すことになりかねない」などと危惧を表す書簡を送った。

 返信は23日に届いた。「未来と核兵器のない世界を目指すにあたり歴史の目を通して(核兵器の)時代を記憶することは適切なこと」と理解を求める。返信は長崎市の田上富久市長にも届いた。

 公園計画の検討に関する法律は04年に成立。原爆開発の拠点だったニューメキシコ州ロスアラモスとテネシー州オークリッジ、ワシントン州ハンフォードの3カ所が候補地として議会に提案されている。(金崎由美)

(2012年1月25日朝刊掲載)

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