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歌い続けた歩み CDに 広島合唱団が制作

 原爆投下後の広島で、平和を願う歌声を響かせてきた広島合唱団が、CD「平和を歌いつぐ」=写真=を作った。被爆70年を機に、これまで歌ってきた中から、定番の作品やメンバーの思いのこもった旋律など計14曲を集めた。

 「はばたけー」のコーラスの盛り上がりが、聴く人の胸に迫る「折り鶴」から始まる。「ヨシヲ君に何があったん?」は、7分近い演奏時間の混声合唱曲。演奏会でも、なかなか取り上げられないという。

 「原爆詩集」で知られる詩人、峠三吉(1917~53年)の詩を基にした「墓標」は、被爆死した子どもの無念を歌い、全国の合唱仲間から「広島を感じる」と評された。

 「ねがい」「原爆を許すまじ」なども収録。中には、他のグループとの合同演奏の録音や、85年ごろの音源を使った歌もある。寺本美和子団長は「これまで歌い続けてきた歩みを形にしておきたかった。市民の皆さんの、未来への希望をつなぐ力になればうれしい」と話している。

 同合唱団は54年結成。地域や職場の歌好きの人たちが集う。現在は20~70歳代の約40人がメンバーで、週2回、歌声を磨いている。CD制作は3作目。

 税込み千円。Tel082(294)3981。(谷口裕之)

(2016年1月18日朝刊掲載)

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