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島根原発が全停止 中電 2号機 定期検査

 中国電力の島根原子力発電所2号機(松江市鹿島町、出力82万キロワット)が27日、定期検査のため運転を停止した。中国地方で稼働する原発はゼロとなった。2号機は検査に伴う工事を6月に終えるが、再稼働の時期は未定。停止中の1号機、建設中の3号機とも稼働のスケジュールは決まっておらず、原発が稼働しない状態が当面続くことになる。(山本和明)

「今冬は安定供給」

 全国の商業用原子炉54基のうち、稼働しているのは関西電力の高浜原発3号機など3基だけとなった。4月下旬までに全て停止する可能性が高い。

 島根2号機は27日午前1時に発電を停止。同6時に核分裂が止まる原子炉停止となった。再稼働には、ストレステスト(耐性評価)の国への提出や地元の理解を得る必要がある。1号機と、ほぼ完成している3号機も稼働には同様の手続きが求められる。

 中電は今冬の電力は「安定供給できる」とする。2月は火力発電所の稼働を増やすなどして対応。電力の余力を示す予備率は13・5%となり、安定供給の目安の8%を上回ると見通す。ただ電力消費が増える夏には、電力が不足する懸念も残るとし、火力発電をフル稼働させるなどの対策を検討している。

 島根原発は点検不備問題を受け、2010年にも全基が停止した。1号機はこの時以来停止しており、運転開始から38年近くを経ていることに地元から懸念の声もある。3号機はほぼ完成しているが、中電は運転開始の時期を示していない。

(2012年1月28日朝刊掲載)

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