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艦載機移転「不可避」広がる 岩国市長選出口調査 経済・子育て政策重視

 24日投開票された岩国市長選で、中国新聞防長本社は有権者の投票行動を探るため、投票所で出口調査を実施した。2017年ごろに予定される米海兵隊岩国基地への空母艦載機移転を「賛成」「やむを得ない」と考える有権者は合わせて79・0%に上った。投票に当たって重視した政策・課題は経済対策や子育て支援などが、艦載機移転問題を上回った。(大村隆、友岡真彦)

 調査は4カ所の投票所で、有権者200人から回答を得た。

 艦載機移転の賛否では、「賛成」19・0%、「やむを得ない」60・0%、「反対」20・5%だった。「賛成」「やむを得ない」を合わせた数字は、前回12年の調査と比べ11・3ポイント増えた。

 基地内外で移転に向けた国の工事が本格化し、市中心部の愛宕山地区では米軍家族住宅の付属施設で市民も使える大型運動施設が着工。目に見える形で受け入れ準備が進むことが住民意識に変化をもたらしたとみられる。

 移転反対を訴えた姫野敦子氏に投票した人でも42・8%が「やむを得ない」と回答。「賛成」はゼロだった。「基地との共存」を掲げる福田良彦氏に投票した人では「賛成」「やむを得ない」合わせて90・7%だった。

 重視した政策・課題(二つまで)は「経済・雇用対策」が34・5%で最多。「教育・子育て支援」(31・5%)「医療・福祉の充実」(31・0%)と続いた。前回は2番目に多かった「米空母艦載機移転への姿勢」は26・5%で4番目だった。

 艦載機移転を含む在日米軍再編のロードマップ(行程表)に日米両政府が合意して、ことしで10年。「移転は不可避」との認識が市民に広がり、暮らしやすさにつながる施策を重視する傾向が浮き彫りになった。

(2016年1月26日朝刊掲載)

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