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壁・鋼材 傷みチェック 原爆ドーム 作業公開

 原爆ドームの健全度調査を進めている広島市は30日、敷地内での作業を報道機関に公開した。(金崎由美)

 この日は、作業員3人が外壁と内壁に張り巡らされた足場を歩き、壁や鋼材などを丹念に調べた。先端が球形の金属製の棒でモルタルが塗られたれんがをたたき、音を手掛かりに劣化具合や浮き具合をチェック。ひび割れの大きさを定規で測り図面に書き込んだ。

 調査は2011年12月に始まった。31日からはドームの傾きを調べる測量や、壁面の防水材の効果を確認する作業を始める。これまでの調査では深刻な劣化や損傷は見つかっていないという。

 ドームは1915年に「広島県物産陳列館」として完成。被爆後、核兵器廃絶を訴えるシンボルとなり、96年に世界遺産に登録された。健全度調査は89年の保存工事以降、原則3年ごとに実施している。結果は市の有識者委員会に報告し、必要と判断されれば補修工事をする。

 市は近く、コンピューター解析による本格的な耐震調査も始める。

(2012年1月31日朝刊掲載)

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