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旭の騒音回数15年240回 3分の1に 米軍機低空飛行 島根県西部

 私万件浜田市旭町で2015年、米軍機の低空飛行訓練による騒音の測定回数が、前年の3分の1に激減した。だが、測定器がある県西部5市町の旧市町村別では最も多く、急降下の爆音や夜間訓練など、依然として深刻な騒音被害が続いている。(森田晃司)

 浜田市役所旭支所に市が設置した測定器で昨年、70デシベル(騒がしい街頭に相当)以上を記録したのは計24日で240回。14年の同44日703回、13年の同31日334回を下回った。

 昨年は1~3月、11月に70デシベル以上の測定がなかった。同支所防災自治課は、他の市町や県と連携して国や米海兵隊岩国基地(岩国市)に中止要請を続けた一定の成果とみる。

 だが、50分間で40回(4月15日)など短時間に急降下・急上昇を繰り返す訓練や、4時間35分間で12回(12月8日)など長時間の訓練が、県西部の他の地域と比べて目立つ。10月29日には11年12月の測定器設置後で最大の98・7デシベルを記録した。

 午後6時以降の夜間訓練は計10日あり「窓を開けて眠れない」「テレビの音が聞こえない」などの苦情が相次いだ。

 県と市町が設置した測定器12基のデータで旧市町村別では昨年、旧石見町(邑南町)が2カ所計204回、旧匹見町(益田市)の156回、旧桜江町(江津市)の2カ所計101回と続き、いずれも前年とほぼ横ばいだった。

 旭町だけが激減したことについて、同課は「飛行ルートが変わったのかもしれないが詳細は不明で、今後増える可能性もある。低空飛行訓練がなくなるまで監視や中止要請を続けたい」としている。

<旧市町村別の「70デシベル以上」測定回数>(自治体設置12基)

    旧市町村 2013年 14年 15年
浜田市 金城町   29    73  53
    旭町   334   703 240
    弥栄村   12    13   4
益田市 益田市   65    75  48
    匹見町  152   146 156
江津市 桜江町   88   112 101
川本町       57    29  35
邑南町 石見町  317   212 204
    瑞穂町    8     5   5
    羽須美村  21    26  29

(2016年1月31日朝刊掲載)

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