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「X JAPAN」ドキュメンタリー 米映画祭で最優秀編集賞 広島出身・上綱麻子さん参加

 広島市出身の上綱麻子さん(47)=ロサンゼルス在住=が編集で関わったロックバンド「X JAPAN」のドキュメンタリー映画「We Are X」が、米サンダンス映画祭のワールドシネマドキュメンタリー部門で最優秀編集賞を受賞した。上綱さんは「1年近くかかった編集の末、このような形で認められて光栄」と喜んでいる。

 受賞作は、メンバーの死や解散など、波乱の道を歩んだグループの歴史、リーダーYOSHIKIの人物像や葛藤に迫る。2014年のコンサートや過去の貴重な映像を組み合わせ、YOSHIKIが持つ日本人独特の感性を伝えることに心を砕いたという上綱さん。「過去の出来事や記録を、いかに切迫感を込めて表現できるか意識した」

 米ヒューストンで生まれ、生後数カ月で帰国し、16歳まで広島市で育った。その後、映画監督を志し、渡米。ニューヨーク大大学院で映画について学び、現在は監督や編集者として活動する。

 昨年は広島国際映画祭に招待され、冷戦中に実際あったロシアの潜水艦沈没事件に着想を得て自ら監督した短編「Katya」が上映された。今後は「Katya」の長編化や、広島市で医師だった祖父の戦中戦後の出来事を基にした長編の製作を目指す。「米国で映画の勉強と活動を続けてきたが、心と感性は日本人。この融合を武器に日本と広島を代表して映画界で活躍したい」と誓う。(余村泰樹)

(2016年2月6日朝刊掲載)

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