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折り鶴再生紙 海を渡る ヒロシマからスペインへ 博物館内ショップで販売

 スペイン北東部サラゴサ市にある折り紙博物館のミュージアムショップで、平和記念公園(広島市中区)にささげられた折り鶴を再生して作った折り紙が販売される。平和を願って折られた鶴が、形を変えて海を渡る。

 折り鶴再生紙メーカーの富士共和製紙(静岡県富士市)が、折り紙文化のあるスペインで使ってもらえないかと思い付いた。同博物館が昨年8月6日に開いた平和イベントに再生紙の折り紙を送ったのがきっかけで、販売が実現した。

 折り紙は15センチ四方で厚さ0.08ミリ。折り鶴の紙の含有率は約10%という。1袋30枚入りで500セット発送。糸を切るなど折り鶴の解体や、できた折り紙の袋詰めは、福祉作業所の広島市皆賀園(佐伯区)が担当した。山地一栄さん(35)は「弟夫婦が新婚旅行で行ったスペインには親しみがある。そこまで届くのがうれしい」と熱心に袋に封をする作業をしていた。

 ミュージアムショップでは、折り鶴が折り紙になるまでの様子を紹介する約6分間のDVDも放映。DVDを制作し、同館に折り紙を卸す木野川紙業(西区)の陣場健社長(61)は「既に催促の連絡も来ている。広島に集まった折り鶴に込められた平和への思いが広がってほしい」と話している。

(2016年2月8日朝刊掲載)

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