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原爆と原発事故 健康被害の実態 広島で20日市民講座

 「福島原発事故被災者に対する広島・長崎からのメッセージ」と題した広島大学市民公開講座が20日午後2~5時、広島市南区比治山本町の南区民文化センターである。放射線による健康被害について考えるきっかけにしてもらうのが狙い。同大原爆放射線医科学研究所(原医研)の大瀧慈教授(統計学)ら3人が研究成果を報告、会場からの質疑応答の時間も設ける。

 大瀧教授は、爆心地から約2キロ以内で被爆した人の固形がんによる死亡危険度(リスク)は、残留放射線や放射性降下物などによる間接被曝(ひばく)の方が、爆発時に浴びた初期放射線より影響が大きい―などの解明を進めてきた。3月の定年退職を前にした今回は、これまでの研究の集大成として、投下直後の放射性微粒子がリスクの主因であるとの最新の調査結果を示す。

 原医研の元助教の大谷敬子研究員(統計学)は、健康不安の実態や、福島第1原発事故の前後で原発に対する意識がどう変化したかなど被爆者アンケートの結果を報告。広島市出身の京都大原子炉実験所の今中哲二助教(原子力工学)は、5年間の福島原発事故の調査を通して放射能汚染と被曝について分かったこと、まだよく分からないことについて話す。

 無料。原医研Tel082(257)5852(計量生物研究分野)。

(2016年2月8日朝刊掲載)

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