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主人公が呉からはがき 「この世界の片隅に」映画製作支援に謝意 イラストや風景印

 戦争末期の呉市、広島市を舞台にしたアニメ映画「この世界の片隅に」の製作資金を提供した人に、アニメの主人公北條すずの名で届くはがきが好評だ。呉市の休山などを描いた風景印を押し、同市の郵便局から送る。1日に始め、今月中旬まで作業が続く。

 映画は製作費をインターネットで募り、完成に近づいている。広島で生まれ、呉に嫁いだすずが空襲などにほんろうされながら懸命に生きる姿を描く。原作はこうの史代さん。秋に上映予定だ。

 はがきは支援者に謝意を伝えるため、製作委員会が4回に分けて送る。各回ともすずが訪れたと思われる場所にある呉市の郵便局から出すようにしており、3回目の今回は呉中通三郵便局(中通)から。こうのさんが描いた季節感あふれるイラストと文章がつづってある。

 両市の有志でつくる支援する会によると、3374人が募金に応じた。「呉の消印に感激」「すずさんが実在するよう」など、はがきは会員制交流サイト(SNS)で話題になっている。同会の大年健二会長は「呉への関心が高まり、にぎわいにつながれば」としている。(小笠原芳)

(2016年2月9日朝刊掲載)

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