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建国記念の日 広島市内で集会

 「建国記念の日」の11日、記念式典や、米軍基地の問題などをテーマにした集会が広島市内の各所であった。

 中区の広島国際会議場では、企業の経営者たちでつくる奉祝委員会が建国を祝う集いを開いた。広島大名誉教授の松浦雄一郎会長はあいさつで北朝鮮の核実験などに触れ、「平和と安全保障をさらに推進し、安全な国を次世代に引き継がなければ」と力を込めた。

 1500人が来場し、神楽団による演目の披露や高校生の和太鼓の演奏もあった。

 中区の原爆資料館では、沖縄県選出の仲里利信衆院議員(78)が、安全保障関連法や沖縄の米軍基地問題をテーマに講演した。

 仲里議員は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の県内移設反対を掲げて立候補した2014年の衆院選で、県民から幅広い支援を受けたと強調。「沖縄が結束したのは、戦争につながるものに反対したからだ。日本全体が一つになり、戦争だけはさせないようにしてほしい」と訴えた。

 講演は、平和・民主・革新の日本をめざす広島の会が主催した集会の一環。市民たち約150人が聴いた。(川手寿志、根石大輔)

建国記念の日 行事や集会 山口県内各地

 建国記念の日の11日、山口県内各地で記念行事や市民団体の集会があった。安全保障関連法や憲法改正への賛否が交錯した。

 岩国市山手町の市民会館では、市建国記念の日奉賛会主催の祝賀式典があった。橋本尚理会長は「日本国の独立と平和を守るために確固たる安全保障環境を整え、次代に引き継がなければならない」とあいさつ。安保関連法への理解を促した。参加者は式典後、国旗や風船を手に市中心部をパレードした。

 山口市大手町の県教育会館では午前、同市の市民団体「市建国記念の日奉祝会」が祝賀式典を開いた。

 午後は同会場で、市民団体でつくる実行委員会主催の「思想と信教の自由を守る県民集会」があった。東海大法科大学院の永山茂樹教授は講演で、安倍晋三首相が改憲の優先課題に挙げる緊急事態条項の新設について「国会の統制が機能するのかといった問題点がある」と指摘。集会後、参加者は「憲法9条を守ろう」と訴え市中心部を行進した。

 下松市栄町の下松教会では、「平和と民主主義と暮らしを守る実行委員会」が集会を開いた。県立大の井竿富雄教授(47)が講演で、安保関連法の成立過程を「民意に反している」と批判した。(野田華奈子、宮野史康、高田果歩)

祝う行事や憲法集会 建国記念の日で島根県内

 「建国記念の日」の11日、島根県内では記念日を祝う行事や、憲法問題をテーマにした集会が開かれた。

 松江市殿町の松江護国神社では、建国記念祭があった。神事に続き、同会の会員たち約30人が玉串をささげた。県遺族連合会の那須晴雄会長(79)=飯南町野萱=は「年に1度、国の平安と発展を祈るいい機会だ」と話した。

 益田市須子町の市人権センターでは、日本キリスト教団益田教会と「平和をすすめる市民の会」が、憲法問題について考える集会を開いた。県立大総合政策学部(浜田市)の岡本寛講師(憲法)が講演し、国家と宗教などを分離する立憲主義の歴史の歩みや専制主義との違いを解説した。

 岡本講師は、政治権力を制限することで国民の自由を保障する立憲主義のポイントを説明。集まった約40人は日本国憲法が定める個人の尊厳などについて考えた。(松島岳人、江川裕介)

(2016年2月12日朝刊掲載)

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