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呉市、日本遺産に申請 旧海軍鎮守府設置 4市共同

 明治時代に旧海軍鎮守府が置かれた広島県呉、神奈川県横須賀、長崎県佐世保、京都府舞鶴の4市は文化庁の認定制度「日本遺産」に共同申請した。代表の呉市が12日発表した。「日本近代化の躍動を体感できるまち」をテーマに、現存する史跡を通じて街の知名度向上や地域振興を図る。

 広島県を通じ9日付で申請した。申請に必要なストーリーでは「農漁村に人と先端技術が集まり、日本の近代技術が育まれた」「海軍由来の食文化もまちに浸透する」などと掲げた。遺産を構成する文化財としては旧呉鎮守府司令長官官舎や大和ミュージアムの所蔵資料など、呉の17点を含む4市計約80点を挙げた。

 認定を受けると、情報発信や人材育成といった事業で国の補助が受けられる。旧軍港市として関わりの強い4市は、昨年11月に東京でフォーラムを開くなど準備を進めてきた。

 日本遺産は2014年度創設。有形無形の文化財を「面」として発信、活用する。昨年4月に第1弾の18件を認定。中国地方では尾道市、備前市、島根県津和野町、鳥取県三朝町が選ばれている。

 市企画課は「認定されれば4市が個々にしていた情報発信が共同でできる。観光の活性化につながる」と期待する。(小島正和)

(2016年2月13日朝刊掲載)

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