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14年春目指す軍縮外相会合 広島開催へ調整 玄葉氏言明

 玄葉光一郎外相は10日、広島市が誘致を目指す2015年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に代わる国際会議を、同市で開く方向で調整していることを明らかにした。日本など非核兵器保有国10カ国でつくる軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)の外相級会合で、14年春の開催を目指すとみられる。

 NPDIは、「核兵器のない世界」の実現へ64項目の行動計画を決めた10年のNPT再検討会議の合意実現を後押ししようと、日本とオーストラリアの主導で10年9月に発足。これまで3回の外相級会合では、核弾頭数など核兵器の共通報告様式案を作って核保有国に示すなど「具体的、建設的な提案」(外務省)を通じて影響力を発揮しようと活動している。

 14年春は、翌年の再検討会議に向けて軍縮外交が活発化する時期であり、米ニューヨークで開かれる再検討会議準備会合では核保有国が軍縮の進展状況の報告を予定。NPDIも軍縮などで具体策を打ち出したい構えだ。被爆地で会議を開くことで核兵器廃絶への思いを共有し、議論の追い風にしたい狙いがある。

 一方、約190カ国の代表団が1カ月近く滞在する再検討会議そのものの誘致については、当初から外務省内では困難との見方が強かった。

 この日の衆院予算委員会で公明党の斉藤鉄夫氏(比例中国)から再検討会議の広島開催について問われた玄葉氏は「簡単ではないので、それに代わる何かをできないか私の頭の中で考えている」と述べた。

 広島市は再検討会議を第1目標に、国際会議の誘致費として12年度当初予算案に外務省と協議するための出張費など48万円を計上。市幹部は「外務省からはまったく聞いていない。市としてはあくまで再検討会議の誘致実現を目指すことに変わりない」と話している。(岡田浩平、武河隆司、金崎由美)

(2012年2月11日朝刊掲載)

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