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荒神橋欄干 修復工事へ 広島市 衝突運転者に費用請求

 広島市は被爆橋の荒神橋(南区)で、車が衝突して崩れ落ちた欄干の修復工事を近く始める。1月末の事故後、運転手に直すよう求めてきたが、話が進まず、安全のために急ぐ必要があると判断した。3月末までの完成を目指す。

 荒神橋は1939年に猿猴川に架けられたコンクリート橋で全長80メートル、幅20メートル。爆心地の約1・9キロ北東にある。

 先月31日、海田町の派遣社員の男(30)=道交法違反(酒気帯び運転、当て逃げ)などの容疑で送検=の乗用車が幅2・2メートルの歩道を乗り越え、北側の欄干(高さ約1メートル)に衝突。被爆時から残る石の手すりなどが幅約6メートルにわたって猿猴川に落ちた。橋を管理する市は現在、仮設フェンスを置いている。

 南区維持管理課によると、男は当初、原状回復させる意向を示したが、その後、市との協議に応じていないという。同課は17日、約240万円で業者と修復工事の契約をした。川底の欄干を引き上げて設置するが、砕けて使えない部分は同じ形の擬石などで補う。費用は男に請求する。

 同課は「安全のためやむを得ない。被爆橋であり、できるだけ元の欄干を川から拾い上げて直したい」としている。(水川恭輔)

(2016年2月18日朝刊掲載)

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