×

ニュース

宇根利枝さんが死去 慰霊碑に献水 半世紀以上 93歳

 半世紀以上にわたり、広島市内の原爆死没者の慰霊碑に供養の献水を続けてきた被爆者の宇根利枝(うね・としえ)さんが10日午後3時4分、急性心臓死のため広島市南区の病院で死去した。93歳。自宅は広島市南区宇品西4の3の4。葬儀は13日午前11時から広島市南区皆実町3の3の19、光徳会館で。喪主は長男俊雄(としお)氏。

 爆心地から約2・5キロの広島陸軍兵器支廠(ししょう)=南区=で、託児所の保母をしていて被爆。1955年、西区の山中で滝を見つけたのを機に、水を求めて息絶えた犠牲者を悼み、慰霊碑に水を手向ける活動を始めた。

 市が74年に始めた「原爆献水」にも協力し、8月6日の平和記念式典に水を持参。原爆慰霊碑にささげてきた。2004年度、広島市民賞を受賞。活動を基にした本や絵本も出版された。(田中美千子)

(2012年2月12日朝刊掲載)

年別アーカイブ