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アルゲリッチ・広響が再タッグ 5月の別府アルゲリッチ音楽祭 音楽通じ平和を発信

 広島交響楽団が、5月に大分県別府市を中心に開かれる「別府アルゲリッチ音楽祭」に初出演する。総監督を務める世界的ピアニストのマルタ・アルゲリッチが、昨夏に広島、東京で催された「平和の夕べ」コンサートで協演した広響と再び同じステージに立ちたいと希望。世界中でテロや紛争が絶えない中、「平和と音楽」をテーマに掲げることしの同音楽祭のメーン公演として実現する。(余村泰樹)

 音楽祭は1998年に始まった。18回目の今回は5月1日から26日、別府市や大分市を会場に開く。広響は7日、別府市のビーコンプラザである公演に出演し、ショスタコービッチのピアノ協奏曲第1番でアルゲリッチと協演する。広響第3代音楽監督の高関健の指揮で、ベートーベンの交響曲第7番も奏でる。

 アルゲリッチは、音楽には、人々に調和をもたらし、争いの気持ちを和らげる力があると信じて活動を続けている。昨年8月の「平和の夕べ」コンサートでは、広響とベートーベンのピアノ協奏曲第1番を演奏し、平和のメッセージを届けた。同12月には広響から「平和音楽大使」の称号を受けている。

 別府アルゲリッチ音楽祭の伊藤京子・総合プロデューサーによると、アルゲリッチは広響の誠実さと熱意のある演奏が強く印象に残り、自らの音楽祭に招きたいと語っていたという。「広島は二度と悲惨な戦いを繰り返してはならないと教えてくれる地。そこで誕生した広響とともに平和の大切さを発信したい」と伊藤・総合プロデューサー。広響の井形健児事務局長は「こんなにも早く2度目の協演が実現し、ありがたく光栄。志を同じくする者同士、その思いをしっかりと届けたい」と話している。

 広響が出演する公演は午後4時半開演。入場券は1万5千~5千円。小学1年~22歳は2千円。3月5日発売。アルゲリッチ芸術振興財団Tel0977(27)2299。

(2016年2月20日朝刊掲載)

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