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放射線災害からの復興 人材育成へ専門家議論 広島大が国際シンポ

 広島大は21日、大学院博士課程に10月、放射線災害からの復興を担う人材育成プログラムを設けるのを記念し、国際シンポジウムを広島市中区の広島国際会議場で開いた。

 文部科学省の博士課程教育リーディングプログラムとして初年度は約10人が入学。被爆地の経験を基に、福島第1原発事故など放射線災害の被災地の復興に貢献する専門家の養成を目指す。

 シンポには国内外の研究者や国際原子力機関(IAEA)の関係者たち約100人が出席。医学や放射線物理学だけでなく、社会心理学など幅広い知識を備えた人材育成の必要性を議論した。

 米カリフォルニア大のリディア・ザブロツスカ助教は「社会科学を重視した放射線災害復興のプログラムは評価できる」、放射線影響研究所(放影研、南区)の大久保利晃理事長は「専門知識だけでなく現場でリスクを判断する力や実務能力も必要」と注文した。

 環境科学技術研究所(青森県六ケ所村)の嶋昭紘所長は、自分の専門分野以外の研究者や市民とコミュニケーションがとれる人材を育成するよう求めた。(金崎由美)

(2012年2月22日朝刊掲載)

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