×

ニュース

ハワイの日系2世 映画に 差別や戦争体験聞き取り

 ハワイ日系2世の第2次大戦の体験や苦悩、功績などを記録したドキュメンタリー映画の制作が進んでいる。神奈川県鎌倉市の映像作家、松元裕之さん(47)が31人から聞き取り調査した。このうち16人の両親または父が、広島県か山口県の出身という。5月に現地での上映を目指す。

 題名は「Go for Broke!(当たって砕けろ) ハワイ日系2世の記憶」。2世の多くが所属した第442連隊のスローガンを引用した。  真珠湾攻撃以降、2世たちの生活は一変した。排斥が強まる中、多くの若者が米国への忠誠を示すため志願兵となった。最激戦の欧州戦線で、次々と命を落とした。

 調査した31人は80歳代後半~90歳代。幼少時代の思い出や道徳観、差別、戦場の様子や戦友の死などについて証言している。2009年から取材を始め約60時間分を収録、1時間40分にまとめた。 松元さんは「2世たちは犠牲と苦労を重ねて信頼を勝ち取った。そんなもう一つの日本史を残したい」と語り、資料映像を借りたりするための費用支援を募る。支援者の名前は映画のエンドロールに記載する予定。Tel090(3501)1249=松元さん。(武河隆司)

(2012年2月22日朝刊掲載)

年別アーカイブ