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「記憶しまわず伝え続けたい」 被災者支援 福島の玉川さん講演

 東日本大震災、福島第1原発事故の被災者支援を続ける福島県南相馬市の玉川光昭さん(38)が26日、広島市中区であったシンポジウムで講演した。家族と避難生活を余儀なくされながら被害の発信や被災者支援に立ち上がった経緯を語り、「震災を思い出すのはつらいが、記憶をしまわずに伝え続けたい」と誓った。

 玉川さんは消防団員として救助活動中、福島第1原発1号機の爆発音を聞いたという。経営する工務店と自宅は原発から約15キロの場所にあり、家族6人は仙台市で避難生活を送る。

 本業の建築分野で復旧に貢献できない中、「自分にできることをしよう」と短文投稿サイト「ツイッター」などを使って支援物資を募集し、運搬する活動を続ける。事故直後の状況も発信し、フォロワー(読者)は約13万6千人。「ヒロシマは60年以上も被爆の悲惨さを訴えている。私にも伝え続ける責任がある」と強調した。

 シンポは読書家グループのブッククロッシング・ジャパンが主催し、約100人が参加。ライブやパネル討議もあった。(榎本直樹)

(2012年2月27日朝刊掲載)

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