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核なき世界へ若者提言 外相会合控えフォーラム 広島の原爆資料館

 広島市で4月10、11両日にある外相会合の機運を高めようと、外務省は27日、「ユース非核特使」のフォーラムを広島市中区の原爆資料館東館で開いた。特使を経験した広島県内外の23人が、「核兵器なき世界」の実現に向け、若者の役割や政府の取り組みについて提言した。

 市民ら約120人が傍聴した。第1部では、広島女学院高2年の並川桃夏さん(17)と、中国新聞ジュニアライターの同、二井谷栞さん(17)の2人が代表し、岸田文雄外相へのメッセージを発表。核兵器に頼らない安全保障や北東、南アジアの非核化、平和教育の充実を訴えた。岸田氏は「貴重で重たい発言、提案だ。外相会合でしっかり議論したい」と応じた。

 第2部は経験者12人が登壇。昨春、米ニューヨークであった核拡散防止条約(NPT)再検討会議の関連行事でのプレゼンテーションや、被爆者が世界各地で証言する船旅への同行など、それぞれの活動を紹介した。「各国外相は被爆証言を聴き、心で感じたことを自国で伝えてほしい」「首脳の被爆地訪問につながれば」などの意見が相次いだ。

 ともに登壇した県被団協の坪井直理事長(90)は「純粋さをいつまでも持って頑張って」と若者たちにエールを送った。(水川恭輔)

(2016年3月28日朝刊掲載)

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