×

ニュース

写真・文学で震災見つめる 津和野2ヵ所で展示 島根

 発生から5年がたった東日本大震災をテーマにした展示が、津和野町の2カ所で開かれている。桑原史成写真美術館(同町後田)の「大震災から5年―岩手・宮城・福島」では、同町出身の報道写真家桑原史成さん(79)が被災地を撮影した写真を展示。森鴎外記念館(同町町田)では「鴎外文学に見る地震・洪水」を開催している。

 桑原史成写真美術館では、発生直後からことし1月まで何度も現地へ足を運んだ桑原さんが選んだ62点を展示。海中に沈んだ民家や住宅街に打ち上げられた大型船、倒れたままの墓石など津波の脅威を物語るカットが並ぶ一方、ワカメの種付けや仮設市場でホタテやカキを焼く市民など復興の歩みも切り取っている。

 福島第1原発事故も精力的に取材し、道路の検問所や脱原発を訴えるデモ行進、山積みになった除染作業の廃棄物の袋などにもレンズを向けた。

 6月15日までで会期中無休。一般300円、中高生150円、小学生100円。

 森鴎外記念館の展示は、全国文学館協議会の呼び掛けに28館が応じた全国共同展示の一つ。地震や洪水を題材にした海外文学を鴎外が訳した本の紹介パネルや、1896年の明治三陸地震を伝える当時の図録のパネル計20枚が並ぶ。

 4月3日までで毎週月曜日休館。一般600円、中高生400円、小学生250円。(江川裕介)

(2016年3月27日朝刊掲載)

年別アーカイブ