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[広島外相会合] ユース非核特使 国際化 海外でも募集 岸田氏表明

 岸田文雄外相は27日、核兵器の悲惨さを伝える若者の活動を後押しする外務省の「ユース非核特使」制度で、新たに海外の若者も対象にする考えを明らかにした。募集対象を世界に拡大することで、「核兵器なき世界」に向けた国際的な機運を高めるのが狙い。近く、在外公館を通じて募集を始める。

 4月10、11両日に広島市である外相会合を前に、同省が原爆資料館東館(中区)で開いたユース非核特使のフォーラムで表明した。岸田氏は「志を同じくする外国の若者を非核特使に委嘱し、核兵器のない世界への思いに国境はないと世界の人々に感じてもらいたい」と述べた。

 制度は岸田氏が主導して2013年度に創設。市民団体や非政府組織(NGO)が核兵器廃絶や平和活動のために海外へ派遣する際に申請してもらい、同省が委嘱する。対象は日本国内の原則15~29歳で、これまで延べ107人が特使を務めた。

 同省は今後、日本国内で海外を含めた特使経験者の集いを毎年開く方針で、特使同士の国際ネットワークの構築も目指す。

 さらに岸田氏は16年度、広島、長崎の両被爆地へ、世界各国から計千人以上を招く意向も表明した。世界の若者や研究者たちを日本に招く同省の既存事業を生かし、さらに被爆地訪問を働き掛ける。既存事業で14年度に両被爆地を訪れたのは計約500人、被爆70年の15年度は計約千人に上る見通しという。(水川恭輔)

(2016年3月28日朝刊掲載)

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